国際交流?留学 International exchange and study abroad

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トビタテ!留学JAPAN:援助の現場を知るためのケニア留学

国際学部4年の山本綾香さんは、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」に採用され、アフリカのケニアで留学およびインターンシップ活動をしました。

本学における「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」採用関連ページはこちら

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【留学期間:2019年4月1日~10月31日】
【留学国:ケニア(ナイロビ、アンボセリ、ロイトキトク、モンバサの計4か所)】
【留学テーマ:援助の現場を知るためのケニア留学】

 2019年4月から10月末までの計7か月間、Divinity Foundationというケニアで人道支援を行っている機関にいくつかの施設を紹介してもらい、その施設に住む人々と一緒に生活をしていました。被援助者である人々、特に子供たちがその施設でどのような生活を送っているのかを共に生活をすることで体験?理解することが留学の主な目的でした。

【ケニアでの生活】

 留学中は一か所に留まることなく、海岸部、首都、田舎町と環境も人々の暮らしも様々なところに滞在することができました。首都は背の高いビルが立ち並び、日本と同じように必要なものは簡単に手に入れることができます。田舎町でもキオスクのような小さな商店はあるので食料など必要最低限のものは手に入れることができます。物価は日本人からしてみるとどれも日本のものより安いので、ほとんど困ることはありません。しかし、現地の人の中には数十円でも捻出しようと努力しなければ生きられない人もいるので、生活中はお金について何度も考えさせられました。首都では多くのストリートで生活している人々を見ました。
 交通の面もバイク、マタトゥ(乗り合いバス)、バスがたくさん走っているため困ることはありません。Uberのアプリも田舎以外では使用できます。

 

  • ケニアでの生活1

    長距離用の大型バス
    荷物はすべて上に載せられる

  • ケニアでの生活2

    道端の様子
    たくさんの野菜が所せましと並べられている

  • ケニアでの生活3

    首都ナイロビには最大級のキベラスラムがある

  • ケニアでの生活4

    1カ所目の施設で最終日に出してくれた料理
    (上:鶏、左下:スクマと呼ばれる野菜、右下:主食のウガリ)

【施設1カ所目:Children’s Garden Home and School】

施設1カ所目

 ナイロビの西側に位置する孤児院と学校が併設している施設に計3か月半滞在しました。孤児院には約150人の子どもたちがいました。小学校では4年生と5年生に算数と理科を教えていました。それ以外では子供と同じ生活リズムで一緒に生活をしていました。小さな子供でも英語を流暢に話し、たくさん助けてもらいました。オーナーに孤児院について詳しく事情を聴く時間をとってもらったり、成長し孤児院を出た人達との交流も多くとることができました。ほとんどの時間を子供と過ごしたので大人からは聞けないような話をたくさん聞いたり、実際に生活している子どもたちと同じ生活を送れたことが一番の思い出です。

【施設2カ所目:Rescue Centre】

 アンボセリという野生動物で有名な、都市からはかなり離れたところにある、強制婚や女子割礼から逃げてきた女の子たちが住むセンターに滞在しました。1カ所目の施設とは違い、ルールや規律が厳しいところで全く違う印象を持ちました。田舎町での生活を体験しました。いろんな背景を持つ女の子と話したり、ナイロビとはまた違う雰囲気の人びと触れ合いました。

  • 施設2カ所目2

    片道1時間半の森に週末は子どもたちと一緒に薪を拾いに行っていました。

  • 施設2カ所目3

    施設内のキッチン、大釜で主にウガリ、煮豆を作っていました。


【施設3カ所目:Usirika Japan】

 日本人会でたまたま出会ったケニアで小学校?幼稚園の運営、自立支援プロジェクトを行っている日本人の方々のところに滞在させてもらいました。日本人の方々が行っているいくつかのプロジェクトを見せてもらったり、小学校での運動会などに参加させていただきました。実際に現地で国際協力を行うことの大変さや苦労話などをたくさん聞くことができました。

  • 施設3カ所目1

    Class 2の子どもたち
    スワヒリ語を鍛えられました。

  • 施設3カ所目2

    小学校?幼稚園での運動会の様子

【施設4カ所目:Anand Marga Academy and Children’s Home】

 海岸部のモンバサに位置する小学校と孤児院が併設している施設でした。約20人の女の子がそこの施設で生活していました。親戚?親がいない子、レイプをされた子など子供によって背景は様々です。ナイロビの孤児院とはまた違う子どもたちの様子、生活環境を知ることが出来ました。

  • 施設4カ所目1

    施設の子どもたちと

  • 施設4カ所目2

    施設からバイクで15分くらいのところにあるビーチ

【全体を通しての感想】

 幸運なことに7カ月の間に4カ所の施設に滞在させてもらうことができました。そのため施設や施設の子どもたちを比較しながら見ることが出来ました。留学前は特に「子供」に焦点をあてていたわけではありませんが、留学をする中で自分の知りたいこと?調べたいこが変化していき「施設で生活する子供?施設に訪れる部外者に対して子どもたちがどんな感情を抱いているのか」ということに関心をもつようになっていきました。
 留学中はもちろん楽しいことばかりではなく、大変なこと、つらいこと、逃げ出したい場面もたくさんありました。「自分はこんなこともできないのか」、「こんなにも自分は弱いのか」、「自分はケニアで一体何をしているのだろう」と悩む日々もたくさんありました。それでも「これができるようになった」、「こんな風に考える思考が変わった」など自分自身の成長を感じることもあります。
 留学は終えましたが、これで終わりではなく、支えてくださった皆さんにさらなる成長をお見せできるよう頑張っていきます。

 

お問い合わせ先

国際交流推進センター(事務局本部棟1階)
電話:082-830-1784
E-mail:iepc&m.hiroshima-cu.ac.jp
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